一縷の望み

思い通りに行かないことも、思い通りに綴る毎日

「人生の言葉」ヘッセ

ヘッセの「人生の言葉」(エッセンシャル版)を読み終わりました。
今年(2018年)の読書数50冊目になりました。

ヘッセは、「デーミアン」と「シッタールダ」がお気に入りです。
車輪の下」が有名ですが、僕の中では少しランクが落ちます。

今回読んだ本の中で取り上げるのは「春の嵐」(ゲルトルート)からの一文です。

「孤独だと思うなら、簡単な治療法がある。
 まずは、自分が幸福かどうか、問いた事への関心をすぐさま捨てること。
 同じように、自分の評価や評判なんて、どうでもいいことだから
 考えても意味の無いと決めること。
 とにかく自分について、あれこれ考えるのを、きっぱりやめること。

 そして、世界で起きていること、他人について関心を持つこと。
 いつも身近な人達を、よく理解しようと努めること。
 できるならば、彼らが少しでも喜ぶ為に、何かしてあげたり
 話を聞いてあげること。

 私たちは、それぞれに違う。
 他人との間に、越えられない溝が横たわっていると感じる事すらある。
 だからどうだと言うのだ。

 確かに、みんな、それぞれに違いは、あるけれど
 みんな、それぞれ持っているものの方が、ずっと多いじゃないか。
 互いの違いよりも、そっちの方が、はるかに重要なことじゃ無いのか。

 自然の力にも、偶然や運命の力にも勝つことは出来ない。
 けれども、ほんのわずかな時間でしかないが
 我々は、自然や運命の力より、ずっと強くあることが出来るものだ。

 そのときには、確かに真ん中に愛がある。」

ヘッセは本当に好きなんです。ゲーテも好きですが、ちょっとした理由でヘッセの方が上です。
ニーチェはすごいんですが、ちょっと難しいので、ヘッセが解り易くて大好きです。

この他にも『人生の言葉』に収録されている、ヘッセの詩でお気に入りは 

『私の人生は何だったのか』
「この長い歳月の中で私の罪は、人よりも天空を彷徨する雲を愛したことだった」

『夕雲』 
「老人たちよ非難や文句はもう捨て去りなさい、代わりにもっと微笑みなさい。
 たあいのない冗談を言いなさい。いつも機嫌よくしていなさい。
 しかめっ面で深刻に考えるのをやめなさい。
 絵を鑑賞するかのように、世界を眺めなさい。
 そして、もう一度、微笑みなさい。」 

等々があります。